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教えて!よ防さん

Yobousan

教えて!よ坊さん・79「舌の正しい位置 役割と機能」

q 舌の動きはその機能や歯並びに影響することがありますか?
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普段、自分の舌がどの位置にあるかを意識している人は、あまりいないと思います。しかし、舌が正常な位置にあることは、案外大事なことです。舌は、食べ物の味を感じるだけでなく、言葉を話す「構音」、食べ物をかみ砕く「咀嚼(そしゃく)」、食べ物を飲み込む「嚥下(えんげ)」などでも、形や位置を自由に変え、筋肉や器官と連携して大切な働きをしているのです。 例えば、食物と唾液を混ぜ合わせて正しく食道に送り込み、誤って気管に入ることがないようにしたり、滑舌よく言葉を話すのを助けたり。特に意識しなくても、舌はその役割をこなしてくれているのです。舌がこのような役割を果たすには、複雑なメカニズムが正しく働く必要があります。普段から舌を正しい位置に置くことは、舌の機能を正常に維持するための第一歩といえます。なお、舌が前方に位置する場合、かみ合わせに問題が生じる下顎前突(かがくぜんとつ)症や開咬(かいこう)症になってしまうことがあります。 舌が後方に位置する場合、いびき、低呼吸、ひいては睡眠時無呼吸を引き起こす可能性があります。健康のために、普段から舌を正しい位置に置くこと、鼻呼吸に努めることが大切です。このことは、小さなお子さんだけでなく、お年寄りが誤嚥(ごえん)性肺炎などにかからないようにするためにも大切な心がけといえます。舌の位置が正しくないとさまざまな問題が生じますので、思い当たる方は歯科医院で相談されることをお勧めします。 <回答=京都府歯科医師会・広報室員 居波薫> ※「よ坊さん」は日本歯科医師会のイメージキャラクターです。 「毎日新聞京都版・令和7年10月21日」