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教えて!よ防さん

Yobousan

教えて!よ坊さん・78「DX」で歯科医療の向上

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お口のケアの注意点って世代によって違うの?

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歯科医療DXとはデジタル技術を活用して、歯科医療の質や効率を向上させる取り組みのことです。電子カルテや顔認証システムなどが代表的ですが、その中でも診療での普及が期待されている口腔(こうくう)内スキャナーとCAD/CAM(キャド/カム)、3Dプリンターを紹介します。

 口腔内スキャナーは棒状の小型カメラのようなもので、歯や歯ぐきを高速で読み取る機能があり、型取りが苦手な方、子どもにも使うことができます。削られた歯の形態を読み取り、そのデータを歯科技工所に送ると、CADというソフトで詰め物をデザインし、CAMというプログラムで工作機械(ミリングマシン)を動かし、患者さんの歯に適合した詰め物・かぶせ物を削って作り上げます。こうした詰め物・かぶせ物を、CAD/CAM冠(かん)、CAD/CAMインレーと呼びます。

 次に、3Dプリンターは、スキャンされた歯型のデータを樹脂模型として作り上げ、外科手術に使われるサージカルガイドやマウスピースに使われます。また、口腔内スキャナーで義歯(入れ歯)をスキャンすれば、そのデータを元にコピー義歯をプリントアウトすることができます。このデータがあれば、災害などで義歯をなくした患者さんに、3Dプリンターで義歯を作って素早く提供することが可能となり、普及に期待が高まっています。

 歯科医療DXは、患者と医療従事者の双方にメリットをもたらす可能性を秘めています。ただ、導入にはさまざまな課題もあり、全国の歯科医院に普及するまで、もう少し時間が必要です。

                                      <回答=京都府歯科医師会・広報室員 溝川豊>

                               ※「よ坊さん」は日本歯科医師会のイメージキャラクターです。

                                         「毎日新聞京都版・令和7年9月19日」