教えて!よ防さん
Yobousan
教えて!よ坊さん・74「口腔内の健康 全身の疾患に直結」
歯の健康は全身の疾患に関わってるの?
歯の二大疾患は、むし歯と歯周病です。どちらも細菌感染が原因で、日本ではいずれも成人の8~9割が罹患(りかん)しています。特に歯周病は、歯周病菌によって歯茎に炎症が起こり、歯肉から出血します。出血は、血管が切れているということです。血液は心臓を出て血管を通って全身を巡り心臓に戻りますが、血管が切れている箇所から血管内に歯周病菌や炎症性物質が侵入すると、血液と共に全身を巡り、全身の各臓器に悪影響を及ぼします。
歯周病は全身のさまざまな病気のリスクを高めることがあるのです。関連があるといわれる全身疾患は次の通りです。心臓血管疾患、糖尿病、誤嚥(ごえん)性肺炎、脳梗塞(こうそく)・脳卒中、関節リウマチ、早産・低体重児出産、骨粗しょう症、認知症、肥満やメタボリックシンドロームなど。
特に糖尿病に関しては「歯周病は糖尿病の第6の合併症」とされるほど密接な関連があります。糖尿病と診断された方は歯周病がないか、歯周病と診断された方は糖尿病にかかっていないか、双方向で確認しケアできると良いでしょう。糖尿病も歯周病も生活習慣病の要素を多分に含んでおり、食生活、生活習慣の見直しも重要になってきます。
歯や口内の健康は全身の健康に直結します。飲食物は最初に口の中を通ります。その口の中が汚れていたら、その先にある胃や腸にも汚れは行き渡ります。川の下流を奇麗に保つには上流が奇麗でなければならないのと同様、口の中を奇麗にして全身の健康維持に努めましょう!
<回答=京都府歯科医師会・広報担当理事 岸本知弘>
※「よ坊さん」は日本歯科医師会のイメージキャラクターです。
「毎日新聞京都版・令和7年6月20日」
