教えて!よ防さん
Yobousan
教えて!よ坊さん・70 「口の衰え早期対策を」
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オーラルフレイルってご存じですか?
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オーラルフレイルとは、老化に伴う口腔(こうくう)機能の低下や食の偏りなどが複合して生じる、高齢期における健康課題です。口に関する「ささいな衰え」を軽視せず、口腔機能低下から心身の機能低下までつながる「負の連鎖」に警鐘を鳴らした概念です。
オーラルフレイルの主な特徴は次のとおりです。
①老化に伴う口腔の状態(歯数、口腔衛生、口腔機能など)の変化
②口腔の健康への関心の低下
③心身の予備能力の低下
④食べる機能障害
⑤フレイルへの影響
⑥心身の機能低下
症状としては、滑舌の低下、わずかなむせや食べこぼし、嚙(か)めない食品の増加など。次の5項目のうち、二つ以上当てはまる場合はオーラルフレイルの可能性があるとされます。①歯の減少②噛みにくい③飲み込むのがつらい④口の中が乾く⑤滑舌が悪い(舌や唇の運動機能の低下)。
オーラルフレイルは口の機能が「健常」と「機能低下」の間にある状態とも言えます。身体的(フィジカル)フレイル、社会的(ソーシャル)フレイル、精神・心理/認知的(メンタル/コグニティブ)フレイルなどに代表される、高齢期に生じる複数の課題が重複して生じる「口の衰え」であり、改善が可能です。早期に兆候を評価して適切な対策をとることで機能低下を緩やかにし、さらに健康な状態へ戻る可能性があるということです。
5項目をチェックして二つ以上に該当する場合は、なるべく早くかかりつけの歯科医にご相談ください。
<京都府歯科医師会・広報室員 溝川豊>
※「よ坊さん」は日本歯科医師会のイメージキャラクターです。
「毎日新聞京都版・令和7年2月21日」
