教えて!よ防さん
Yobousan
教えて!よ坊さん・68 「歯科技工士の仕事って?」
q
歯科技工士って、どんなお仕事をするの?
a
歯科技工士は、歯科医療に欠かせない存在です。むし歯の治療で使う詰め物、歯周病や事故で失った歯の代わりになる人工の歯など、歯科の「補てつ物」を作ります。食事や発音を正常にするための口腔(こうくう)機能、口元や歯の見栄えなど、患者さんにとっても重要な役割を担っています。
歯科技工士は、歯科医師と協力しながら患者さん一人一人に最適な補てつ物を提供します。そのひとつである入れ歯の歴史はとても古く、古くは紀元前に動物の骨や牙を使った入れ歯の記録が残っています。他にも、英国の陶磁器ブランド「ウエッジウッド」が陶器製の入れ歯を製作していたとされています。日本では、木材を使用した木床義歯が奈良時代ごろから使われていました。
入れ歯に限らず、現在では補てつ物に使用する材料は樹脂、金属、陶材、ジルコニアなど多岐にわたります。それぞれの材料には特性があり、最適な選択をする必要があります。近年は耐久性や審美性に優れた材料が増え、より自然で長持ちする補てつ物の提供が可能になり、患者さんのQOL(生活の質)の向上にも貢献しています。
歯科技工士の仕事には一貫した品質管理が求められています。わずかなズレでも患者さんの違和感や痛みにつながるため、細心の注意を払いながら作業を進めることが重要です。患者さんの快適さと安全を守るために、歯科技工士は技術力と責任感をもって歯科技工に取り組んでいます。
<京都府歯科医師会・広報室員 山口荘一>
※「よ坊さん」は日本歯科医師会のイメージキャラクターです。
「毎日新聞京都版・令和6年12月20日」
