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教えて!よ防さん

Yobousan

教えて!よ坊さん・67 「お口ぽかん」弊害ばかり

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お口がずっと開いている状態はよくないのですか?

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日常生活の中で、お口がぽかんと開いてしまっているのは、「百害あって一利なし」ということわざの通り、弊害ばかりで何もいいことはありません。お口がぽかんとなっていると、口呼吸になっていることが多く、次のような悪影響をもたらします。

 ①お口の中の唾液が循環せずに口腔(こうくう)内が乾燥状態になります。そこから唾液の分泌が低下し、口臭、前歯の着色、むし歯の多発、歯周病の悪化などが誘発されます。

 ②お口の周りの筋肉が働かず、舌の位置にも大きく影響が出て、口唇、ほお、舌圧のバランスが崩れることにより、顔面や歯並び、かみ合わせにも悪影響が出ます。

 ③咽頭(いんとう)やへんとうの周囲に乾燥が広がることで、粘膜が感染しやすくなりアレルギー性疾患を誘発します。

 ④口呼吸で得られた酸素は、鼻呼吸と比べて質が劣るとされ、脳内への良質な酸素の供給が妨げられ、いびきの常習、睡眠時無呼吸などの睡眠障害を誘発したり、集中力の低下につながったりします。

 ⑤肺への通り道である気道の閉塞(へいそく)が起こるので、猫背のような前かがみ姿勢になりやすく、更に悪循環を起こします。

 以上のように、「お口ぽかん」に良いことは何もありません。また、自然に治りにくいので、まずはかかりつけの歯科医に相談されることをおすすめします。

 

 <京都府歯科医師会・広報室員 冨井明子>

※「よ坊さん」は日本歯科医師会のイメージキャラクターです。

 

 

 

「毎日新聞京都版・令和6年11月22日」