教えて!よ防さん
Yobousan
教えて!よ坊さん・66 「災害時も可能な口腔ケアを」
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災害に巻き込まれた時、口の中のケアはどうすればいいのですか?
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最も大切なことは「口腔(こうくう)ケアによる肺炎予防とむし歯予防」です。災害時には、断水や栄養不足、疲労などの影響から、口の中の細菌が肺に流れ込む「誤えん性肺炎」のリスクが高まり、命を落とす被災者もいます。
被災しても可能な範囲で口腔ケアをすることで、肺炎を防ぐことが大切です。肺炎予防のポイントは①よく噛(か)んで食べる②水分を十分にとる③うがいを何度もする④空気が汚れた場所ではマスクをする⑤就寝前に歯磨きをする⑥入れ歯もお手入れする――など。
水が十分にない時もありますが、1日1回はお口の中をきれいにしましょう。入れ歯も表と裏、「バネの回り」も忘れずに。入れ歯を使っている人は自分の歯が少しでも残っていたら、その歯の表面や根っこの周りもケアしましょう。
また、むし歯にも注意が必要です。予防のポイントは①飲食の後は歯をみがきましょう②歯磨き粉がなくても歯ブラシで丁寧に磨くだけで十分③むし歯菌の栄養となる糖分などの過剰摂取を控える――など。
糖分などを含むお菓子は心身のストレス発散にも効果的です。ただ、お菓子をダラダラと食べるのはむし歯の原因となります。手に入るのであれば、むし歯予防に「キシリトール100%」(無糖)のガムを噛むこともおすすめです。
自分に合った口腔ケアについて、日ごろからかかりつけ歯科医に相談しておくことも有効です。
<京都府歯科医師会・広報担当理事 岸本知弘>
※「よ坊さん」は日本歯科医師会のイメージキャラクターです。
「毎日新聞京都版・令和6年10月18日」
