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教えて!よ防さん

Yobousan

教えて!よ坊さん・63 「むし歯予防にキシリトール」

q キシリトール入りのガムって何が良いの?
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キシリトールは、樹木「カバノキ」から発見された天然の甘味料です。身近な食品ではイチゴにも多く含まれています。1976年にフィンランドの研究者がむし歯を予防する効果を確認しました。唾液分泌の促進、歯を修復する再石灰化作用、歯垢中の酸の中和、むし歯の原因となる「ミュータンス菌」の阻害など、その役割は多岐に渡っています。 キシリトールの甘みによって、口の中に入れると味覚を刺激して、唾液の分泌を促します。キシリトールが入ったガムをかんだ場合には、咀嚼することで唾液が分泌されやすくなります。唾液そのものにはミュータンス菌の数を減少させる効果はありませんが、歯垢中のカルシウムレベルが上がり、歯の再石灰化に役立ちます。 さらに、キシリトールとカルシウムの複合体は再石灰化を促進し、歯を硬くします。一般的にむし歯は、原因菌が飲食物の糖を栄養にして酸を作り出すことで、発生します。しかし、キシリトールは原因菌の栄養とならないため、酸もできません。歯垢中で酸ができにくくする作用もあります。 ただ、注意点もあります。キシリトール以外に還元水あめなどの甘味料が含まれていると、むし歯の原因になります。ガムなどを購入する際には商品の成分表示を確認して下さい。キシリトールガムを活用してむし歯予防の一助にしてもらいたいと思います。   京都府歯科医師会広報室員 山口荘一 ※「よ坊さん」は日本歯科医師会のイメージキャラクターです。 「毎日新聞京都版・令和6年7月19日」