教えて!よ防さん

日常生活で転倒や顔面の打撲によって歯が折れたり、抜けたりすることを「歯の外傷」と言います。受傷した際は非常に動揺していることが多いので、慌てずに応対することが大切です。まずは受傷の程度の確認です。全身のけがの有無、口の中の出血の有無、歯が欠けていないか、あるいは歯が抜けていないか。これらの確認をします。もし頭痛や吐き気を感じるようであれば急いで医科の救急外来を受診してください。なければ歯科を受診します。受診する際には怪我の発生時間と状況をまとめておくと治療の助けになるのでお勧めです。歯が抜けてしまっても受傷後、適切な処置(再植)を行えば抜けた歯は元に戻ることがあります。歯が抜けた場合は歯科医院を受診するまでの歯の保存方法が重要です。抜けた歯が乾燥すると再植の成功率がかなり下がります。そのため、すぐに生理食塩水につけて保存します。難しい場合は成分無調整の牛乳でも代用できます。小学校などでは保健室に歯の外傷専用の保存液も置いています。可能であれば下唇と歯の間で保存することも有効です。再植の成功には歯根にある歯根膜が非常に重要なので、水道水で汚れをごしごし洗ってはいけません。歯を持つ場合も根の部分は触らないようにして下さい。歯が抜けた時は、かかりつけ歯科医院がある場合はまず担当医に連絡してみて下さい。 京都府歯科医師会　広報室員　山口　荘一