教えて!よ防さん
Yobousan
教えて!よ坊さん・72「慢性化であごの機能低下も」
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顎(がく)関節症ってどんな病気ですか?
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顎関節症とは、あごの関節(耳の穴の前あたり)やその周りのあごを動かす筋肉などに痛みや違和感などの異常が生じる疾患です。
代表的な症状としては、「あごが痛む(顎関節痛・咀嚼(そしゃく)筋痛)」・「口が開かない(開口障害)」・「あごを動かすと音がする(顎関節雑音)」の三つがあります。原因はさまざまありますが、上下の歯の噛(か)み合わせの異常だけではなくストレスなどによる精神的な緊張、歯ぎしりや食いしばり、ほおづえをつく癖やうつぶせ寝、かみ癖などの生活習慣が影響することもあります。
また最近では、安静にして口が閉じているときに上下の歯が噛んでいる癖(歯列接触癖)があると顎関節症を引き起こしやすくなることが分かってきています。顎関節や筋肉に痛みがあるときは、大きく口を開けることや急に開閉口することは控えて安静にし、硬いものや弾力が強い食品を噛むことは避けましょう。
歯科医院での治療としては、アプライアンス療法というマウスピースを上あごもしくは下あごに入れ、上下の歯が均等に噛み合うようにすることで顎関節が正しい位置に戻り筋肉の緊張もとれてスムーズに動くようにする治療や、鎮痛剤や筋弛緩(しかん)剤などを用いた薬物療法などがあります。顎関節症は軽症の場合は生活習慣の改善で自然に回復する場合もありますが、放置すると慢性化しあごの機能が低下する可能性がありますので、症状が強い場合や長く続く場合はかかりつけ歯科医院の受診をおすすめします。<回答=京都府歯科医師会・広報室次長 花井眞希>
※「よ坊さん」は日本歯科医師会のイメージキャラクターです。
「毎日新聞京都版・令和7年4月18日」
