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教えて!よ防さん

Yobousan

教えて!よ坊さん・50 歯ぐきが下がる原因は?

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以前と比べ、段々と歯ぐきが下がってきて気になっています。

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歯ぐきが下がるのは、正式には「歯肉退縮」と呼ばれる現象です。

歯のお口の中に見えている部分は本来、エナメル質という硬い組織で覆われています。しかし、歯肉退縮が進むと、エナメル質の内側にある象牙質やセメント質(歯の根っこの部分)が見えてきます。象牙質はエナメル質に比べると柔らかく、内部の神経へ冷たいものや歯ブラシなどの刺激が伝わりやすくなってしまいます。これが知覚過敏です。その他にも、歯が長く見えて見た目がアンバランスになるだけでなく、歯の強度の低下を招く恐れもあります。また、むし歯や歯周病のリスクも高くなってしまいます。

 

ではなぜ、歯肉退縮が起こるのでしょう?原因は様々考えられます。歯周病、歯並びや噛み合わせ、加齢、歯磨き方法の誤りなどです。特に、外側の歯ぐきは薄くてデリケートな構造をしているため、その部分に歯ブラシを力いっぱいゴシゴシするのは危険です。

 

こういった歯肉退縮を回復する手段として「根面被覆」という方法があります。口蓋(上顎の内側)の歯茎から一部を切り取って、根っこが見えている箇所に縫合するという手術です。薄くて下がりやすい歯ぐきの厚みを増し、将来的にも下がりにくくすることを目的とします。歯肉退縮は放置しておいても治りません。気になる方は一度検討されてはいかがでしょうか。

 

京都府歯科医師会広報室員 高橋康治