教えて!よ坊さん
教えて!よ坊さん・15 歯磨き後のうがいは1回
掲載日:2020.07.17
Q
歯磨き後のうがいの回数は少ない方がよいと聞きました。
A
むし歯は、いわゆるむし歯菌が糖を食べてることでできる酸が歯の成分であるハイドロキシアパタイト(以下アパタイト)を溶かすことで起こります。
むし歯は初期なら、アパタイトが溶けても元に戻る性質があります。これを「再石灰化」と呼びます。さらに、アパタイトにフッ化物が加わると再石灰化を促しやすくなります。溶けにくくもなるため、歯の表面がしっかりしたアパタイトに置き換わった歯になり、むし歯になりにくくなります。フッ化物は食べ物などに含まれますが、アパタイトを再石灰化させるには確実にお口の中にフッ化物があることが望まれます。このため、むし歯予防にはフッ化物入りの歯みがき剤(ペースト、粉など)を使うとよいと言われます。
歯磨きの後に何回もうがいをすると、歯みがき剤に含まれるフッ化物が流れて薄くなってしまいます。歯磨き後に汚れを吐き出した後の仕上げのうがいは、ごく少量の水で1回だけにして、しばらく飲食しないことで再石灰化効果が高まると言われています。
ただ一定以上、むし歯が進行すると、再石灰化は起きなくなるので、十分気をつけてください。
何度もうがいをしたくなるとは思いますが、食後の歯磨き後は1回だけと、皆さんもぜひ心がけてみてください。
京都府歯科医師会 広報室室員 奥野博人