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よ坊さんだより・78 人の歴史は歯痛との闘い?

掲載日:2015.06.11

歯の痛みは誰しも我慢できないつらいものです。現在のような歯科治療が受けられなかった時代や、痛み止めなどの薬が十分でなかった昔はさぞつらかったことでしょう。その様子はいろいろなところに記載が残っています。

 清少納言は枕草子の中で「十八、九ばかりの人の、髪いとうるはしくて、丈ばかりに、裾いとふさやかなる、いとよう肥えて、いみじう色白う、顔愛敬づき、よしと見ゆるが、歯をいみじう病みて額髪もしとどに泣き濡らし、乱れかかるも知らず、面もいと赤くて、おさへて居たるこそ、いとをかしけれ。」と歯痛で顔を真っ赤にして苦しんでいる様子を描いています。

 また、小林一茶は「歯がぬけて あなた頼むも あもあみだ」と歯を失ってしまい、もう阿弥陀様にすがるしかないという嘆きをユーモラスに?表現しています。

 世界では、フランスの哲学者パスカルは、激しい歯痛に悩まされた1658年のある晩、数学の難問に集中したところ歯の痛みを忘れ、これを“神の恵み”と感じてしばらく数学に没頭しました。そして、「サイクロイド」の難問を解き、微分積分学ができる直前の時期に、西洋世界で初めて実質的に正弦(サイン)の定積分に成功したとの話があります。

 洋の東西を問わず、人間の歴史と歯痛は切っても切れない関係だったのかもしれません。歯痛で苦しまないためにも、早めの受診と定期健診をお忘れなく…。

京都府歯科医師会 広報室 次長 石原宗和

 

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