教えて!よ防さん
Yobousan
教えて!よ坊さん・19 病気リスク高める歯周病
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歯周病になると糖尿病が悪化すると聞きました。本当でしょうか。
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本当です。特に重度の歯周病は、糖尿病を悪化させるだけではなく、全身のさまざまな病気のリスクを高めると言われています。
歯周病の主な症状は、歯肉の腫れや出血、口臭や歯のぐらつきなどです。こういった症状を放置し続けていると、歯周病菌やそれらが産生する毒素が、口腔内でどんどん増加していきます。そして血管から体内に侵入し、血流に乗って全身に広がってしまうと、動脈硬化、脳梗塞、肺炎、低体重児出産などのリスクが高まります。
認知症の進行や発症と歯周病の関連について、メカニズムが解明されたとの報道が先日ありました。これにより歯周病の治療や予防が認知症の予防や進行の抑制につながるのではと期待されています。実際、冒頭の糖尿病についても、歯周病を治すことによって、糖尿病の指標となるHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)の値が平均で0.4%改善すると報告されています。また、これからの季節に流行が懸念されるインフルエンザウイルスの感染や重症化予防にも歯周病治療や口腔ケアが有効であるとわかってきています。
歯周病の治療や予防は、全身のさまざまな病気の予防や改善にもつながっています。歯磨きやうがいなど日々の口腔ケアは、実は全身のケアにもなっているのです。最近、歯磨きの時に出血していませんか。ぜひ歯科医院にてご相談ください。
京都府歯科医師会 広報室室次長 谷口広樹