教えて!よ防さん
Yobousan
よ坊さんだより・82 高齢者の口腔ケア器具①
高齢者に多い誤嚥性肺炎を予防するためには口腔ケアが有効です。今回は自宅で行う口腔ケアにおける具体的な方法を説明します。
高齢者のお口の中には孤立歯(隣の歯がない歯)の存在や咬みあわせの歯がないために伸びてきている歯があったり、入れ歯の装着によって清掃が困難となる部分などがよくみられます。したがって高齢者のお口の中の状態に合った清掃器具を選んでください。
まず歯ブラシ選びのポイントとして、口のすみずみまで届くよう毛先の面は小さめで、歯ぐきを傷つけないよう1本1本の毛先が丸く、柔らかめの歯ブラシを、そしてしっかりと握れるよう柄はまっすぐでやや大きめのものがお勧めです。特に高齢者の方では毛先の面が大きく、毛が硬い歯ブラシを用いられていることが多くみられます。これでは磨き残しも多くなり、歯ぐきも傷付けてしまいます。
また、高齢者の方にはむし歯や歯周病で歯を失い、孤立して歯が残っている場合もあります。このような場合にはプラウトといって孤立歯に適した歯ブラシがあります。ブラシの先が普通の歯ブラシの3分の1ほどになっておりプラウトを使用することで普通の歯ブラシよりもお掃除がしやすくなっています。
この他にも様々な清掃器具がありますので、次回に説明します。
口腔ケアの方法は一人ひとりお口の中の状態によって変わってきますので、かかりつけの歯科医院でアドバイスをもらうことをお勧めします。
京都府歯科医師会 広報室員 森下 徹