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教えて!よ防さん

Yobousan

よ坊さんだより・73 歯周病と全身との関わり

 歯周病に関しては一昨年の本稿でも詳しく説明しました(京都府歯科医師会ホームページ内「よ坊さんだより」で閲覧できます)が、2011年の調査結果によると40歳になると約8割が歯周病にかかっており、45歳を超えるとその半数が重度の歯周病に進行し、大体55歳ぐらいから自分の歯が20本以上ある人の割合が減少していくことが報告されています。
 一方、80歳になっても歯を20本以上残そうと国や地方の歯科医師会が行ってきた8020運動が功を奏し、1988年以降80歳で20本以上歯のある人の割合は年々増加しています。しかしながらこの結果は実は喜んでばかりはいられないのです。
80歳で20本の歯があるということは、歯周病の危険にさらされる歯が20本もあるということです。歯周病は感染症ですので、歯周病菌が歯周組織に感染すれば歯周病となり、歯周病菌が血液や唾液などに混じって全身に流れていけば歯周病以外の病気になる可能性があります。
 最近、歯周病は肺炎、糖尿病、心筋梗塞、および脳梗塞などの全身疾患や低体重児出産などに関係があることが明らかになってきています。歯周病の予防・治療をしっかり行わなければ、特に高齢者の方は免疫抵抗力も低下してきますので、歯周病と関係するこれら疾患に陥りやすくなる可能性があります。
 そうならないためにも歯磨きをしっかり行ない、口の中を清潔に保つとともに、定期的に歯科医院を受診して歯周病が進行しないように努めてください。

京都府歯科医師会 広報室室次長 山岡 雄司