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教えて!よ防さん

Yobousan

よ坊さんだより・109 歯と麻酔のお話

 みなさんが歯科医院を受診された時、むし歯が大きい場合には麻酔をして歯を削ることがあるかと思います。その麻酔は、歯ぐきに麻酔液を注入して部分的に麻酔を効かせる方法、いわゆる局所麻酔、あるいは部分麻酔と呼ばれるものです。麻酔には全身麻酔と局所麻酔があり、その二つとも歯科に大きく関わっています。
 大昔は局所麻酔なしで歯を抜いていました。この痛みへの飽くなき探求精神は、歯科の分野に大きく関係しています。日本では1804年に華岡青洲が世界で初めて全身麻酔下で乳がん手術をしたといわれています。それ以前の1698年に琉球で高嶺徳明が、生薬を用いて全身麻酔下で口腔外科手術をしたという報告もあります。海外では1844年アメリカの歯科医師ウエールズが、笑気(ガス麻酔薬)を用いて全身麻酔下で抜歯を、46年同じくアメリカの歯科医師モートンが、エーテル麻酔を用いて口腔外科手術をしたと報告されています。その後、96年に日本でも笑気を用いて初めて歯科治療が行われました。
  このように、痛みを伴うことが多く、ストレスのかかる歯科治療には麻酔は切っても切り離せない分野です。今日では、全身麻酔による歯科治療も日本だけでなく世界中で行われています。我々歯科医師はこれからも痛みやストレスのない治療を行うことで、安心安全な歯科治療を提供していきます。

 

(京都歯科サービスセンター-水野誠)