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教えて!よ防さん

Yobousan

よ坊さんだより・84 高齢者の口腔ケア器具③

 前回までに誤嚥性肺炎を予防するための口腔ケアの具体的方法として、色々な清掃器具を紹介してきましたが、今回は舌ブラシとスポンジブラシについて説明します。

 お口の中では歯以外に舌や粘膜にも汚れが付着します。舌を磨く場合、普通の歯ブラシでも磨けますが、舌の表面を傷め出血・腫れをおこしてしまうこともあるので、専用の舌ブラシをお奨めします。また高齢者の方々には舌に白い付着物、舌苔(ぜったい)と呼ばれる物がみられることが多くあります。これは食べかすや細菌、カンジダというカビの一種が付着しているもので、誤嚥性肺炎の原因となります。この舌苔は舌ブラシを用いることでこすり取ることができます。ただし舌が乾燥して舌苔がこびりついている場合には専用のお薬もありますので、こすり取らずに歯科医師に相談しましょう。

 また、粘膜にも汚れはつきます。粘膜とは頬の内側など、お口の中を覆う柔らかい部分のことをいいます。粘膜は傷つきやすく、また傷がつくと感染や口内炎のきっかけになる恐れがありますので、歯以上にやさしくケアすることが大切です。普通の歯ブラシで磨くと痛いので、柔らかい歯ブラシやスポンジブラシと言われるスポンジ状の専用のブラシを用いることをお奨めします。

色々と清掃器具を紹介してきましたが、すべて使いこなすのはなかなか難しいです。自身または介護者のできる範囲で、歯科医師に相談しながら頑張って下さい。

 

京都府歯科医師会 広報室員 森下 徹