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よ坊さんだより・142 がん治療と口腔ケア

掲載日:2017.11.30

    がん治療には切除といった外科的な治療のほか、放射線治療、抗がん剤治療などがあります。放射線治療、抗がん剤治療となると、がん細胞のみならず、その周囲や全身の正常な細胞にも影響を与えます。口の中のトラブルとしては、口内炎など様々な合併症が出てきます。また、放射線治療と抗がん剤治療は同時に行われることが多く、その場合はこれらのトラブルがさらに重症化することがあります。
 対応として、まずがん治療開始までに、口の中の感染源などの原因を適切に除去しておくことが重要です。がん治療は体への負担が大きく、体力を大きく低下させます。また治療に伴う栄養状態の低下により治癒能力や免疫力が低下し、口の中に様々な症状が現れます。
  例えば、むし歯や歯周病などが治療されていない状態で体力が低下すると、歯ぐきやあごの骨に重度の炎症が発現する可能性が高くなります。また頭頸部のがんや肺がんの場合、手術後に呼吸機能の低下や嚥下障害が起こり、誤嚥性肺炎などのリスクが高くなります。この場合にも手術前から歯科治療、口腔ケアを行うことで、感染症や誤嚥性肺炎など手術後の合併症のリスクを軽減させることができます。
  がん治療前から歯科治療と口腔ケアを行い、口の機能を維持することで栄養の改善を図り、患者さんの生活の質を向上させることが大切です。がん治療開始までには時間的にも余裕はなくなりますので、日ごろから定期歯科健診を受診して口の健康管理に努めてください。   
                           京都府歯科医師会広報室室員 森下 徹

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