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よ坊さんだより・126 抜歯にまつわる昔話②

掲載日:2017.04.25

 現在、抜歯の際には麻酔をして行いますが、まだ麻酔が普及していなかった江戸時代でも抜歯は行われていたと言われています。ではどういった方法で抜歯をしていたのでしょうか。
 ①弓と矢で抜く②糸や銅線を歯に結んで抜く③指で歯を挟んで抜く④細い木の棒を歯にあてて木槌で棒を叩いて抜く⑤先端が扁平(へんぺい)な鉄の道具で歯根を押し出して抜く⑥釘抜き型の鉗子(かんし)で歯を挟んで抜くといった方法があったと言われています。現在の抜歯方法の礎となりそうなものから考えられないものまでです。
 当時は周りの歯や歯ぐきに多少の損傷を与えても短時間で終わらせることが優先されていたそうです。局所麻酔剤を使用し、痛みなく抜歯ができるようになったのは明治末期から大正期にかけてで、その頃になると周りの組織にダメージを与えない丁寧な抜歯ができるようになりました。麻酔の登場により治療環境がガラリと変わったといえます。
 麻酔が歯科医療に応用されるようになり100年余り。この100年で医療技術、歯科材料は目覚ましい発展を遂げ、その速度もぐんぐん増しています。デジタル機器、3Dプリンター、接着技術の進歩など、100年前の人が見れば驚愕するでしょう。100年前の治療方法は現代においては化石化しているものがほとんどです。次の100年はどうなるのでしょうか。
 今日では抜歯した親知らずや乳歯の一部を培養し失った歯を蘇らせるなど、夢のような治療の研究が行われています。まさに医学は日進月歩。平成を生きる我々歯科医師は、より安全に安定した医療を提供できるように日々研さんを積んでいます

                          京都府歯科医師会  広報室員  高橋康治

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