よ坊さんだより

  1. HOME > 
  2. よ坊さんだより > 
  3. よ坊さんだより・125 抜歯にまつわる昔話①

よ坊さんだより・125 抜歯にまつわる昔話①

掲載日:2017.04.06

 縄文時代後期から弥生時代前期には、健康な歯を抜くという風習があったそうです。その理由として①成人になるための儀式②結婚③喪に服す④死者のよみがえりを願って⑤悪霊を追い払う―などが挙げられます。その際、主に上あごの前歯や犬歯を抜いたそうですが、健康な歯を少しでも残そうという現在では考えられません。
 日本人歯科医師が誕生したのは明治初期で、それまでは口中医、香具師(やし)、入れ歯師、歯抜き師と呼ばれた職業の人たちにより歯の治療(薬の処方、抜歯、入れ歯の作製)が行われていました。今も昔も歯を失う原因はむし歯と歯周病です(この頃は“はくさ”と呼ばれていた)。主に薬を調合し、痛みのある箇所に詰めたり塗ったり、時には痛みを止めるおまじないをしたそうです。そしてこの頃の入れ歯は木製やゴム製でした。ぜひ一度実物を見てみたいものです。
 江戸時代から明治末期ごろまでは抜歯の際、麻酔を使用せず(麻酔そのものが存在しなかった)周りの歯や歯ぐきに多少の損傷を与えようとも短時間で終わらせることが優れた治療とされていたそうです。歯を抜いた後は、タンニン、竜脳(りゅうのう)、辰砂(しんしゃ)、炭酸石灰などを調合した六味合剤を丸めた半紙につけて、血が止まるまで噛んでいたという報告が残されています。まさに驚きです。
   現在では麻酔の使用により痛みの少ない抜歯ができるようになっています。しかし、なるべく抜歯をしないで済むように、早めの治療と定期的な健診を受けることをお勧めします。                                 京都府歯科医師会  広報室員  高橋康治

 

 

京都府歯科医師会 会員専用ページ
入会のご案内