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第4回下京地域保健スキルアップセミナー

掲載日:2018.01.19

活動報告

 1月18日(木)、午後8時30分よりスペースGにて平成29年度地域保健推進事業の第4回下京地域保健スキルアップセミナーを開催しました。昨年10月16日より始まった4回シリーズの訪問診療に関するセミナーの最終回となります。今回も他地区歯科医師会の歯科医師、看護師、介護支援専門員、包括職員などに参加していただきました。

嚥下障害に対するリハビリのプロフェッショナルである介護老人保健施設 茶山の里の志藤良子言語聴覚士を講師にお招きし、「言語聴覚士による摂食嚥下障害へのアプローチ」と題して講演していただきました。

 まず言語聴覚士のお仕事についてお話しいただきました。大きく分けて2つあります。聴覚や発音の障害(コミュニケーション障害)の評価・訓練と摂食嚥下障害の評価・訓練です。次に嚥下障害の評価方法と訓練方法について説明していただきました。評価については症例を実際にみてトレーニングしないと難しいです。訓練は患者さんがおうちで気軽にできる方法もあり、我々の日常の臨床でも患者さんにアドバイスできると思います。

 続いて摂食嚥下リハビリテーションで摂食嚥下障害が改善した6症例について提示していただきました。大切なのは、経口摂取困難からおこる低栄養状態による全身の体力低下を改善すること、できるだけ早く仰臥位から座位にうつすことの2点です。また、低周波で嚥下障害が改善した症例など興味深いものばかりでした。

 最後に咀嚼能力と嚥下障害についてお話しされました。歯がなくなって咀嚼能力が落ちると食物がかみ砕けなくなります。嚥下時の食物形態が嚥下に悪影響を及ぼすのはもちろん、栄養のかたよりや筋力低下、舌の機能低下などがおこり、まわりまわって嚥下機能の低下を引き起こします。したがって、歯を失った場合は入れ歯などでかみ合わせを回復することが重要です。また、お口の中が汚れているとばい菌の住みかになっています。これを誤嚥すると肺炎の一番の原因になります。したがって、お口の中の清掃が重要です。

 摂食嚥下障害の専門家である言語聴覚士の立場からわれわれ歯科医師が貢献できることについてもお話しいただきました。明日からの臨床の場でもこういう視点で患者さんと接することができればと思います。

 

主催:下京歯科医師会